笹かま

来し方、行く末 「希望の笹かま」

大津波から一年あまりが過ぎました。「あー、去年のあの日、今ごろはこんなことをしていたんだったなぁ~」とか、「あんなことを考えていたんだなぁ~」とか、最近は折に触れ、去年のその日、その頃に思いを馳せることが多くなりました。少しだけ、気持ちに余裕がでてきたのかもしれません。

思い出すことを自分に許しているもう一人の自分がいるような気がします。一年という歳月は、思い切り被災した私たちの心にも、何かしら変化をもたらしてくれているようです。

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来し方、行く末 ─被災体験を超えて 2

今年も年が明け、どんな人にも一様に新年が訪れました。我が家では家族会議で、この度はお正月様をお迎えしないことに決め、ひっそりと元旦を過ごしました。・・・と書くはずだったのですが、実は元旦にも仕事をすることになり、新年早々慌ただしいことになってしまいました。ありがたいことです。

大津波後、私共で唯一残ったのが内陸部にあった売店「ささ圭名取増田店」(宮城県名取市増田)でした。避難所ではまだまだ食べ物がなかった震災三日目、ここの在庫のかまぼこ全てを避難所に送るため、社長と二人、数十個の段ボールに詰めて市役所にお届けしました。

これらの製品をまた造れる日は来るのだろうか。そんな願いは、もう叶わないのだろうか・・・。そんなことをぼんやりした頭で考えながら、これが最後のささ圭のかまぼこになるのなら、ずっとうちを愛し育ててくださった地元・閖上(ゆりあげ)の方々に食べてもらいたい! 私たち二人の考えは同じでした。
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来し方、行く末 ─被災体験を超えて

あの日、あの時まで、宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)に住み、働いておりました。

名取川沿いの閖上2丁目の本店で「尋常ではない揺れ」を感じ、主人のいる五丁目の本社、義父母の自宅、また本店、そして自宅と、同じ閖上集落の中にあった関係先をぐるぐる車で見回りました。

再び本社に向かう途中の車中でのことでした。ふと耳に入ったテレビ音声はこう伝えていました。

「(宮城県)女川に9メートルの津波が押し寄せました!」

アナウンサーの声は緊迫していました。
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事務局からお知らせ 執筆者3人追加

東日本大震災の発生からちょうど半年の9月11日に産声を上げた、この「オピのおび」は
スタートから間もなく50日を迎えます。

復興に向けた長い道のりを進む東北のいまを、より多様な感性で綴っていただこうと
新たに3人に執筆陣に加わっていただきました。続きを読む
オピのおびとは

「オピのおび」は「オピニオンの帯」。東北から発信した意見が、太い帯となって世界に広がっていくようにとの願いを込め、「東日本大震災」から半年となる9月11日、新たなオピニオンサイトを立ち上げました。
東北在住の執筆者たちが、ある時は震災からの復興プランやこどもたちの未来について、ある時はそれぞれの専門領域を生かして、メッセージ性に富んだブログをつづっていきます。河北新報社が運営します。

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